保護犬・保護猫とは
どんな犬・猫のこと?
最期までずっと一緒にいられる飼い主がおらず、保健所や動物愛護センター、民間の保護団体などに保護された犬・猫が『保護犬・保護猫』です。
わが家の愛犬はるたんも広島県の動物愛護センターで保護されていた元保護犬で、1歳過ぎの頃にピースワンコ ジャパンという保護団体からわが家に来てくれました。
殺処分される犬・猫
令和2年度に日本全国で保健所・動物愛護センターに引き取られた(収容された)犬・猫の数は72,433匹でした。
その内の約3割(23,000匹以上)が殺処分されています。
全国の犬・猫の引取り数の推移
30年前と比較すれば殺処分数は十分の一にまで減っていますが、それでも毎年何千匹の犬・猫が人間によって無下に殺されているのが現状です。
全国の保護団体では、このように殺処分される命を0(ゼロ)にしようと日々奮闘されています。
保護される経緯は…?
野良犬(野犬)・野良猫
都会ではもうほとんど野良犬を見かけることはありませんが、地方の人の少ない地域や野山では野良犬(野犬)が暮らしている場所があります。
成犬になるまで野山で生きてきた野良犬(野犬)は警戒心が強いため、怪我をして動けない等の理由がない限り捕獲はかなり難しいようです。
そのため、子犬のうちに保護できるように監視カメラを設置したり、聞き込みから親犬の居住場所を突き止めて野山を捜索したり、大変な保護活動をしてくださっている民間の保護団体もあります。
猫の場合は、都会でも外で暮らしている姿を見かけることがありますね。
よく見ると片耳の先がY字にカットされていて、耳の形が桜の花びらのような猫(さくらねこ)も多くいます。
この耳のカットは、TNR活動(「Trap(捕獲)」「Neuter(不妊手術)」「Return(元に戻す)」)によって不妊治療を受けた猫の目印です。
繁殖引退犬・繁殖引退猫
ペットショップにいる可愛い仔犬・仔猫の両親はどのような生活をしていると思いますか?
十分な栄養のあるご飯とゆっくり休めるスペースを与えて、運動もしっかりさせてくれる…、もちろんそのような愛情深い業者も全国にたくさんいます。
しかし、狭いケージの中に閉じ込めて、生き永らえるだけの食料を与え、ひたすら仔犬・仔猫を産ませる…、そのような繁殖業者が多く存在するのも事実です。
産まれた仔犬・仔猫は「小さければ小さいほど高く売れる」ので、生後間もない時期に親兄弟と引き離され、仔犬・仔猫の卸売市場で売られ、そしてペットショップの店頭に並びます。
そのような劣悪な環境で生き延びてきた「繁殖引退犬・繁殖引退猫」を保護し、第二の人生を人間の家族として歩めるように活動している保護団体もあります。
多頭飼い崩壊
個人宅で何十匹、何百匹の犬・猫を飼育し、清潔な環境・十分な食餌量・犬猫の健康を保てなくなることを「多頭飼い崩壊」と呼びます。
そのほとんどが避妊・去勢手術をせず、どんどん仔犬・仔猫が産まれて増えてしまった結果の飼育環境の崩壊です。
近所の方からの通報で行政が介入し、保護団体が引き取って医療処置などを施し、里親へと繋いでいくこともあります。(ただ、飼育環境を崩壊させた飼い主が全頭引き取りを拒否するなどすんなりいかないことも多いようです。)
飼い主の持ち込み
保健所・動物愛護センターに収容されている犬・猫には、飼い主が持ち込むケースもあります。
令和2年度は、犬の場合は10%(2,701頭)、猫の場合は23%(10,479頭)が飼い主の持ち込みによって保健所・動物愛護センターに引き取られています。
「飼っていたけど犬・猫が年をとったから…」「犬・猫が病気になったから…」「自分が引越しをするから…」といった理由で、見放される犬・猫が毎年13000頭以上もいるなんて…胸がつまるような酷い出来事です。
終生責任を持って飼えないのなら、はじめから犬・猫を飼うべきではないと思います。
迷子
家からの脱走や、お散歩途中でリードが手から離れてしまったことで迷子になる犬・猫もいます。
保健所・動物愛護センターに引き取られた段階で、迷子札やマイクロチップによって飼い主が判明すれば家に帰ることができます。
しかし、飼い主不明のままだと殺処分されてしまうことがあり、亡くなってから飼い主と再会することになってしまった話も聞いたことがあります。
2022年6月1日からブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されました。これ以上、不幸な事故が起らないことを願います。
「保護犬・保護猫を迎える選択肢」を
今の日本では「犬・猫を飼う」というと、「ペットショップで血統書付きの仔犬・仔猫を買う」ことが多いかと思います。
「犬・猫と暮らしたいな〜」と思った時に、保護犬・保護猫を迎えることが選択肢の一つとして普通に思い浮かぶ世の中になって欲しいと思います。
『保護犬との暮らしってどんな感じだろう?』と気になったら、わが家の元保護犬はるたんの観察日記も一つのケースとして見てもらえればと思います。
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