今では毎日飼い主と楽しんでいるお散歩ですが、元保護犬のはるたんにとって、ここにたどり着くまでは一筋縄ではいかないことの連続でした。
保護犬とのお散歩ってこんなケースもあるよ、という一例として見ていただければと思います。
(最初はお散歩に出ることも難しい、というワンコもいるのではるたんは順調な方かもしれません。)
1週目
ハーネス装着に30分
はるたんをわが家にお迎えして2日目、日中はずーーーっと押入れ下に籠城して一度も出てきませんでした。
夕方になったのでハーネスを持って押入れに近づきましたが、はるたんは「ボクはここから一歩も動かない!」という鉄の意思を持って私を見返してきます。
有難かったのは、どんなに怖い思いをしてもはるたんが歯を見せて威嚇してくることがなかったこと。
もし「ウーーッ」と唸りながら歯を剥き出しにして嫌がられたら、この日はお散歩を諦めたかもしれません。(そうなったら防御できる手袋を入手して、噛まれる覚悟でハーネスを装着したと思います。)
はるたんにはご褒美として1ステップごとにちゅ〜るをあげながら、近づいて・隣に座って・優しく撫でて・ハーネスを首に通して・ハーネスをお腹の下に通して・片方のバックルを留めて・もう片方のバックルも留めて・ハーネスとリードを繋いで…と、20〜30分かけて少しずつお散歩の準備をしました。
お散歩中、半分以上はカチコチ
わが家に来てすぐの頃は、家の中にいるよりも、外にいる方が怖くないようでした。
お家ではずっとプルプル震えていましたが、外に出ればしっかりした足取りで歩いて、いろんな場所でクンクン匂いを嗅いでいました。
それでも、お散歩の途中で立ち止まって前にも後ろにも進めなくなることが何度も起きました。
どうやら周囲の半径50mくらいは要警戒範囲だったようで、何か気になる音や物があると、嗅覚・聴覚・視覚のすべてをフル活用して周囲をスキャンしていたようです。
安全が確認できないと動けなくなるので、お散歩に出ている時間の内、歩いている時間よりもカチコチに固まっている時間の方が長いくらいでした。
今になって「こうすれば良かったな〜」と思うのは、私たち飼い主がリーダーシップを取ってしっかり導くべきだったな、ということ。
当時は、はるたんの意思を尊重しようとして「好きな場所に行きな〜、歩けるようになるまで待つよ〜」というスタンスだったのですが、それよりも「はい、こっち行くよ」「大丈夫、じゃあ道路渡るよ」とこちらから働きかけた方が良かった気がします。
はるたん自身も、「進むかどうか…、どっちに行くのか…、全部自分で決めないと!」とすべての判断を委ねられて困っていたと思います。
はるたんが「この人について行こう」と信頼できるようなリーダー像を目指した方が、はるたんもカチコチに固まらずにスムーズに歩けたんじゃないかな〜、と思っています。
1ヶ月目
ハーネス装着でカチコチ…
わが家での暮らしにも、私たちにも慣れてきたものの、ハーネスを装着するとその場でカチコチに固まっちゃう事象が起きるようになりました。
当時は「お散歩は好きそうだし、ハーネスを着けたらすぐ外に出られるのに…なぜ??」と不思議に思っていたのですが、今思えば単純にハーネスを身に着けるのが好きじゃない(動きが制限されるのかイヤ)という理由だったのかな、と思います。
玄関が遠い…
ハーネスとリードを着けてお散歩の準備は万端!という状況になっても、すんなり外に出られる訳ではなく…(笑)
なぜかこの頃は「せーのっ」と掛け声をかけながら引っ張らないと、なかなか玄関まで歩けませんでした。
というか、掛け声があっても途中で急にピタッと立ち止まって踏ん張るので、あと三歩で玄関…という所から動けなくなったりしていました。
ボクはココで止まるの!
この行動は本当に謎で、ハーネスもリードも着けていない時だったら同じ場所をスタスタ歩けるのに、お散歩前だけ妙に不安そうな顔で何度も立ち止まって後ろを振り返ったりしていました。(…なんだったんだろう??)
外に出たら(いつもの場所なら)楽しい
朝も夕方も散歩のたびに同じ芝生の広場に通っていたので、はるたんもだんだん慣れてきていつもの場所ならしっぽを上げて楽しめるようになってきました。
それでも、行き帰りの道路を歩いている時はしっぽが下がっていて、ドキドキしながら歩いているようでした。
3ヶ月目
「散歩行くよ、さんぽ」の声で玄関に!
あんなに毎日「せーの、せーのっ」と掛け声をかけながらでないと玄関までたどり着けなかったのに、ある日急に「はるたん、お散歩行こう。さんぽ!」と言っただけでスタスタスターッと一人で玄関まで行けるようになりました。
ついでに玄関でおすわりして待つ、というお利口っぷり!
(まぁ、これも一時的なものだったようで、数ヶ月後にはまたすんなり行かなくなるのですが…笑)
ロングリードにも慣れてきた
はるたんがわが家に来てから1ヶ月半くらいの頃に4.5mのロングリードを購入しました。
初めはロングリード自体に警戒していて装着するのも練習が必要でしたが、数日で慣れてくれて、ロングリードでのお散歩を楽しめるようになりました!
もちろん道路でロングリード散歩は危なすぎるので、芝生の広場で遊ぶ時だけリードを長くして半径4.5mの自由を楽しんでもらっています。
ウンチの後の砂かけをちょろっとできる
犬の習性として、ウンチやオシッコをした後に後ろ足で地面を蹴って砂をかけようとします。
今まではるたんがその仕草を見せることはなかったのですが、3ヶ月が経つ頃からウンチの後にちょろっと(一蹴りだけ)砂かけをするようになりました。
きっとそれまでは周りを警戒しすぎて、砂をかける気持ちの余裕もなかったのだと思います。
少しずつ「普通のワンコ(家庭犬)」に近づいているな〜と嬉しくなった出来事でした。
道路はまだ怖い…
毎日通っている芝生の広場では楽しく過ごせますが、まだあまり歩いたことのないコースをお散歩するのは怖いようです。
わが家に来て3ヶ月の頃はちょうど8月で盛夏だったので、暑さを避けて夜21時以降の散歩がメインでした。
夜散歩ではどうしても街灯のある人通り・車通りの多い道を歩くことが多かったので、はるたんとしてはドキドキばかりであまり楽しくないお散歩だったかもしれません。
6ヶ月目
「散歩行くよ、さんぽ」の声でも玄関に行かなくなる…
夏の間の夜散歩であんまり楽しくないお散歩が続いたせいか…、「はるたん、お散歩行こう。さんぽ!」と声を掛けても「えぇ、行くの?気乗りしないな…」といった感じで動かなくなってしまいました。
わが家に来て3ヶ月の頃は、自分から玄関まで歩いて行ってくれたのに。。
なんなら玄関でおすわりして待っててくれたのに。。
この頃は『飼い主がお散歩に行きたがるから仕方なくついて行ってあげる』というテンションでした(笑)
ウンチの後の砂かけをしっかりできる
ウンチをした後に後ろ足で地面をケリケリする「砂かけ」をしっかり出来るようになりました!
以前は頑張っても片足でちょろっと一蹴りくらいでした(笑)
この頃には、両方の足で「ケリケリ、ケリケリッ…」と地面をかくので、手を出すタイミングが早いとウンチを取ろうとした手に砂がかかることもありました。
昔実家で飼っていたワンコと同じくらい上手に砂かけ出来ているので、これはもう「砂かけ技能検定1級」を取得したと言ってもいいでしょう!
6車線の横断歩道を渡れるように!
毎日はるたんが頑張って練習した甲斐もあって、なんと大通りの横断歩道を(割と)落ち着いて渡れるようになりました。
この動画を見た以前のはるたんを知る保護団体のスタッフさんから、「すごい!」と褒めていただきました♡
慣れない場所はやっぱり怖い…
いつも行く芝生の広場では楽しく過ごせるようになりましたが、徒歩30分くらいの場所にある大きな公園に行ってみると・・・
なにココ…怖過ぎ…
人がいっぱい…
テントもいっぱい…
360°全方位警戒!しちゃうレベルで怖かったようで、到着してから20分くらいはずっとプルプル震えていました。
できるだけいろんな経験をして少しずつ出来ることを増やしていってほしいので、はるたんの様子を見つつ、この大きな公園にもまた行ってみたいと思います。
いつもの芝生の広場だって最初はガクブルで歩いていたので、何度か行くうちにきっと(いつか、いつの日か…)楽しめるようになると信じています。
これからも記録は続く…
三歩進んで四歩下がる…こともある、と言われる元保護犬の成長(笑)
はるたんのお散歩遍歴も、出来るようになったり、また出来なくなったり…を繰り返しながら少しずつ前に進んでいった印象です。
これからも、きっと少しずつ「出来ること」「好きなこと」が増えていくと思うので、また定期的に追記していこうと思います。
参考になれば嬉しいです!
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