どうして保護犬の脱走・逸走に注意しないといけないの?
保護犬にはビビりな子が多いと思います。
私たちが何とも思わない物に対しても、こちらが驚くぐらい過剰に反応して怖がることもよくあります。
例えば、車・バイク・バス・トラック・台車・ベビーカー・自転車・子ども・若者の集団・大人の男性・雷・地震・風の音・花火の音…
そんなビビりなワンコの場合、本当に何気ない物・音でパニックになるほど怖がり、そして、自分でもどこへ向かっているのか分からないままダッシュで走って逃げてしまう、ということが起こり得ます。
何気ない物がパニックの引き金に
また、保護されるまでに生活してきた環境と、里親さんの家の周りの環境があまりにも違うことで怖い物が一気に増える、ということもあるでしょう。
例えば、元々は野山にいて人間に会うこともほとんどなかったワンコが、急に都会の里親さんの家に来た場合・・・
保護される前は人間を見かけても近付かないようにしていたのに、里親さんの家では中にも外にも人間がいっぱいいて、外に出たら見たこともないくらいたくさんの車がビュンビュン走っている…、そんな環境の変化には到底すぐには慣れることができません。
何ヶ月も、何年もかけて、毎日お散歩で外に出て、自分にとって危険ではないことを確認して、そうしてやっと外で落ち着いて過ごすことが出来るようになるワンコもいます。
そういったバックグランドを理解した上で、保護犬の脱走・逸走の対策をしなくてはいけません。
急にワンコがパニックに陥ったとしても大事に至らないように、家の中や、散歩中も出来る対策を徹底すること、それが飼い主の愛情表現の一つだと思います。
基本的な迷子対策
迷子札
迷子札は常に身に着けてあげましょう。
もし脱走・逸走してしまっても、迷子札があれば飼い主の連絡先が分かるので保護された時に役立ちます。
紙に書いておくタイプの迷子札だと、いざという時ににじんで読めないこともあるようなので定期的にチェックする必要があります。
ステンレスや皮革素材に刻印されているタイプは、文字がにじんだり消えたりしないので安心です。
ただし、迷子札は個人情報をぶら下げることにもなるので、抵抗がある方は「迷子札の個人情報を守る方法」についての記事をご覧ください。
家の中でも首輪を着けっぱなしにするのはワンコが窮屈そうだな、と感じる方には「おうち首輪」という軽くて迷子札も付いている商品があります。
これなら着け心地も柔らかく、金具も最低限で重量が軽いので体の小さな小型犬が着けっぱなしにしても負担が少なそうです。
マイクロチップ
万が一のことを考えると、体に埋め込むマイクロチップも挿入しておいた方が安心です。
体に埋め込むと言っても、マイクロチップ自体は直径1〜2mmの細さなので、身体的な負担は通常の注射と変わりないそうです。
動物愛護センターや保健所、一部の警察署などにマイクロチップの読み取り機が設置されているので、マイクロチップが挿入されていれば首輪等を着けていなかったとしても、そのような施設に保護された際にすぐ飼い主が判明します。
2022年6月から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫に対するマイクロチップの装着が義務化されました。
家の中の保護犬【脱走・逸走】対策
家にいる時に地震・雷・大きな音等によってパニックに陥ってしまったら…、もしくは里親さんの家に到着したばかりで元にいた場所に戻ろうとしたら…
どこが脱走・逸走するポイントになるでしょうか?
わが家の場合は以下4点が要注意ポイントです。
- ベランダに面している掃き出し窓
- ペットゲート
- リビングのドア
- 玄関ドア
はるたん居住エリアの間取り図
特に譲渡センターから移動してきたばかりの頃は、はるたんの様子を見ていても「譲渡センターに帰りたいのかな?」と思えるような行動が見られたので、家族全員で以下の点に注意していました。
- ペットゲートは常に閉める
- 就寝時や外出時はリビングドアを閉める
- ベランダに面している窓は開けない
- 万が一に備えて、帰宅時は玄関ドアを初めにほんの少しだけ開ける(はるたんが玄関にいないことを確認する)
これらの注意点は家族のうち一人だけが気をつけていても意味がなく、家族全員で徹底しないといけません。
ずっと対策し続けるのは大変かもしれませんが、わが家ではお互いに声を掛け合って脱走させないようにしています。
ちなみに、はるたんの様子を見ていて、ベランダに面した掃き出し窓は開いていても問題ないと判断したので、現在は私たちが在宅している時に限り、ベランダに面した窓を開けて網戸にすることもあります。
ペットゲートについては、選び方のポイントやお得に購入する方法を含めて記事にまとめていますのでぜひご覧ください。
散歩中の保護犬【脱走・逸走】対策
散歩中の脱走理由としては、主に以下2点が挙げられると思います。
- リードが手から離れてしまった
- 首輪やハーネスが抜けてしまった
(首輪のバックルが壊れてしまった)
はるたんもお散歩中に、対向から来る手押しの自転車にプチパニックになり、すごい勢いで後ろに下がってハーネスを抜いてでも逃げようとしたことがあります。
その時はハーネスをぴったりとサイズ調整して装着していたこともあり、脱走してしまうことはありませんでしたが、本当に何気ない日常の一コマでもパニックに繋がるのだと感じた出来事でした。
「リードが手から離れてしまった」の対策
ワンコのウンチを拾っている時に急に強い力で引っ張られたりすると、とっさに踏ん張ることも出来ずに、リードが手から離れてしまうこともあると思います。
そういう時もショルダーリードという肩に掛けるタイプのリードであれば、リードは体に装着していて両手が空いても大丈夫なのですごく安心感があります。
はるたんの出身団体(ピースワンコジャパンさん)でショルダーリードのダブルタイプ(リードとハーネスの両方に繋げられる)をお勧めしていただいたので、私たちはこちらのリードを事前に準備しておきました。
もう他のリードには変えられない、変えたくない、というくらい気に入って使用しています。
「首輪やハーネスが抜けてしまった(首輪のバックルが壊れてしまった)」の対策
首輪やハーネスを1つだけ装着している状態で不安がある場合は、首輪とハーネスを両方着けることをお勧めします。
保護団体の判断で、ハーネスよりも首輪を2つ(あるいは3つ)着ける方が良いワンコもいるので、その場合は保護団体の指示に従うと良いと思います。
また、首輪やハーネスはぴったりした装着感になるように、定期的にサイズ調整が必要だと思います。
一緒に暮らし始めてから数ヶ月経つと、ワンコのサイズが変わることもあります。(特に痩せすぎなワンコは大きくなります。)
わが家でも日頃から散歩中のはるたんの動きを見て、「キツくないかな?」「ゆるすぎないかな?」とチェックするようにしています。
ぴったりサイズのハーネスでも抜け出すスキルを持っているワンコの場合は、普通のハーネスよりバックルが1つ多いタイプを選ぶと安心だと思います。
また、首輪で最も壊れやすいパーツはプラスチックのバックル部分になるので、そこに負荷が掛かりにくい設計の首輪があります。
はるたんもこちらの首輪を愛用していますが、バックルに負荷が掛かりにくい上、さらに万が一バックルが破損しても両サイドにある接続部(Dカン)2つにリードを繋いでいるので即座に抜けることはないかな、と思い安心して使用しています。
それでも脱走してしまったら…?
いろいろと対策をしていても、必死な時のワンコの力はもの凄いですし、身体能力も高いので、脱走・逸走してしまうこともあります。
その時には、落ち着いて以下手順で捜索をしていく必要があります。
- 関係各所に連絡(出身の保護団体、地域の警察/動物愛護センター/動物病院 など)
- 迷子犬のチラシを作成する
- チラシを配りながら心当たりを捜索する
- SNSで情報提供を呼びかける
- 見つかるまで2〜4を繰り返す
(※私も脱走したワンコの捜索は経験がないので、今後追記していくかもしれません。)
家族の一員である、大事な大事なうちの子を脱走・逸走させてしまったら…
きっと見つかるまで生きた心地がしないでしょう。
ワンコ本人もパニックになったまま走って行ってしまって、気が付いた時にはきっと自分がどこにいるかも分からず、ご飯もなく、お水もなく、怖い車がいっぱい走っていて、事故に遭ってしまうかもしれない…
想像しただけでゾッとしますよね。そうならないために愛情表現の一つとして、これからも気を抜かずに【脱走・逸走】対策をしていこうと思います。
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