カーミングシグナル とは?
カーミングシグナル(Calming Signal)とは、犬が見せる【自分や相手を落ち着かせる行動】のことを言います。
英語のCalmには「落ち着かせる・なだめる」という意味がありますよね。
『あくびをする』『ペロッと鼻を舐める』『ブルブルッと体を震わせる』といったよく見かける犬の行動にも、非音声言語のメッセージが込められています。
私たち飼い主がそのメッセージに気付ければ、正しく対処してあげられることがあるかもしれません。
今回は一例として、はるたんがわが家に来てからよく見せていたカーミングシグナルについても最後に紹介します。
カーミングシグナル を知ったきっかけ
私が「カーミングシグナル」という言葉を知ったのは、長年愛読しているブログ『羊の国のラブラドール絵日記シニア!!』の2008年7月24日の記事(『犬語講座』)がきっかけでした。
イラストが分かりやすくてオススメ!
このブログの著者は、ニュージーランド在住で本も出版されているマーティンゆうさんです。
こちらの記事で「犬語」なるものがあること、また、犬は個体の性格によってそれぞれサインを組み合わせて使っていることを知りました。
具体的なサインとして、下記のような「カーミングシグナル」が紹介されています。
- よそ見をする
- 前足を上げる
- 口をペロリと舐める
- くしゃみをする
10年以上前の記事ですが、さすが動物福祉の先進国であるニュージーランド在住なだけあって今読んでも勉強になる内容です。
代表的なカーミングシグナル
あくびをする
眠い時や寝起きに見せるあくびの他に、敵意がないことを伝えたり、気持ちを落ち着かせるためにあくびをすることがあります。
飼い主が叱っている時に犬があくびをすると「ちゃんと聞いていない!」とさらに怒ってしまう方もいるかもしれませんが、あくびをしている犬からは「争うつもりはありません。そんなに怒らないで。」というメッセージが出ているので受け取ってあげると良いですね。
よそ見をする
相手に敵意がないことを示すために、目線をずらしてよそ見をします。
飼い主が叱っている時や、他の犬に吠えられている時によそ見をして「敵意はありません。落ち着いて。」というメッセージを出しています。
逆に、相手を威嚇する際にジッと目を見つめることもあるので、まだ信頼関係ができていない段階ではあまり目をジッと見ないようにした方が良いようです。
座る・伏せる
緊張状態の時に、自分を落ち着かせるために「座る・伏せる」という行動を取ることがあります。
また、争いを避けるために相手から少し離れた場所で、相手を直視しないようにしながら「座る・伏せる」こともあります。
もちろん、普段も「座る・伏せる」という行動は取るのでカーミングシグナルかどうかは見極めが必要です。
相手に横腹を見せながら近づく
相手に対して「敵意はないですよ」「攻撃しませんよ」と伝えながら近づく方法です。
自分が緊張していたり、相手が警戒している時に見られることが多いです。
元保護犬はるたんがよく見せるカーミングシグナル(ベスト5)
1位:前足を上げる
獲物を見つけて興奮している時や、緊張している時に、自分を落ち着かせる意味があります。
また、片足を上げながら攻撃はできないので「敵意はないですよ。」と相手に伝えることもできます。
何だあれは!!
危険じゃないかな?大丈夫かな?
ふぅ、一旦落ち着こう。
(前足ピョコ)
これははるたんをわが家に迎えた当初から今に至るまで、家の中でも、お散歩中でも、しょっちゅう見せているカーミングシグナルです。
何か気になる物があったり、少しでも警戒している時は、必ず右前足を上げてピタッと立ち止まります。
2位:ブルブルッと体を震わせる
緊張やストレスから解放された時や、緊張やストレスを紛らわす時にブルブルッとすることが多いようです。
もちろん、水に濡れた時のブルブルは通常の行動なのでカーミングシグナルではありません。
はぁあ!やっと写真が終わった!
もう、「おすわりして。こっち見て。」ってやんなっちゃうよね〜
(ブルブルッ)
これも、はるたんが毎日何度も見せるカーミングシグナルです。
「犬ってこんなにブルブルするものだっけ?」と言われるくらいの頻度です。
例えば、散歩を開始してから5分くらいの間に下記ポイントでほぼ毎回ブルブルします。
散歩開始直後のブルブルポイント
- お散歩で家を出た瞬間(ブルブルッ)
- 階段を降りている最中(ブルブルッ)
- マンションの建物を出た直後(ブルブルッ)
- 大好きな芝生の広場に向かっている途中(ブルブルブルッ)
はるたんにとって、外はそれだけ緊張することの連続なのかもしれません。
3位:くしゃみをする
犬はくしゃみをわざとすることができるそうで、興奮した時に「落ち着け自分!」といった感じでくしゃみをすることもあります。
はるたんの場合は、お留守番後に私たちが帰宅すると「ふごっ!クシュ!」とくしゃみをしながら近づいてきます。
私たちが帰ってきたのが嬉しくて、「落ち着け自分!」と言いながらお出迎えに来てくれていると思うと、飼い主としては愛おしさが爆増します。
あ、ママとパパが帰ってきた!
やった〜〜!!!!嬉しい!!
ちょっと落ち着かなきゃ。
(ふごっ!クシュ!)
4位:鼻・口を舐める
不快な気持ちを示したり、敵意がないことを伝えたりするために鼻をペロッと舐めることがあります。
ちなみに、ご飯やおやつを食べる時のペロリはカーミングシグナルではありません。
はるたんの場合、苦手なシャンプーをしている時によくペロッと鼻を舐める仕草を見せます。
早くシャンプー終わりにしてよ〜。
ボク我慢してるんだよ。
(鼻をペロッ)
5位:地面を嗅ぐ
必要以上に熱心に地面の匂いを嗅ぐ時は、緊張していて自分を落ち着かせたいようです。
はるたんがわが家に来たばかりの頃、お散歩の途中で前にも後ろにも進むのが怖くなって、お腹が地面に付くんじゃないかというくらい低い姿勢で「フンフン!フンフンフン!」と匂いを嗅ぎまくっていたことがあります。
きっと極度に緊張していて自分を落ち着かせたかったんだろうな、と思います。
怖い!怖いよ!なんなのココ…!
誰も知らないし、匂いも知らないし。
ちょっと冷静にならないと!
(フンフンフンフン!!)
まとめ
犬が見せる「カーミングシグナル」はたくさんの種類があります。
今回紹介したのはほんの一例ですので、興味のある方はぜひ調べてみてください。
また、カーミングシグナルが意味することも色々な解釈がありますし、犬の個体の性格によってサインの組み合わせ方が少し違うこともあるそうです。
カーミングシグナル前後の愛犬の行動もよく観察して、総合的に「どういうメッセージなのかな?」と考えてみると愛犬のことをよく理解できると思います。
私もまだまだ勉強中なので、今後も知識をアップデートしていきます!
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